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場所打ち杭ってどんな杭?~建物を支える見えない巨人~ 全5回

【連載コラム 第1回】場所打ち杭ってどんな杭?~建物を支える見えない巨人~
ウェブサイトをご覧の皆様、こんにちは!
皆さんは、私たちの日常生活を支える建物が、どのようにして安全に建っているかご存存じですか?特に、高層ビルや大規模な施設を支える**「基礎」は、建物の安定性を左右する非常に重要な部分です。今回は、その基礎を構成する「杭」の中でも、特に私たちの技術が光る「場所打ちコンクリート杭」**について、全5回の連載で楽しく、そして分かりやすくご紹介していきたいと思います。
見えないところで働く「場所打ち杭」とは?
私たちが普段目にする建物のほとんどは、地下に深く埋められた「杭(くい)」という支えによって、その重い体を安定した地盤に伝えています。この杭にはいくつかの種類がありますが、その中でも**「場所打ちコンクリート杭」は、建物の建設現場でその都度、一から造られる特別な杭**のことです。
まるでオーダーメイドのスーツのように、地盤の状況や建物の特性に合わせて最適な杭が造り上げられます。具体的には、まず地面に大きな穴を掘り(これが結構大変なんです!)、その穴が崩れないように**「安定液」**という特殊な液体で保護しながら、鉄筋でできた頑丈なカゴ(鉄筋かご)を挿入します。そして最後に、その穴の中に生コンクリートを流し込んで固めれば、場所打ちコンクリート杭の完成です。
なぜ場所打ち杭が重要なのでしょうか?
場所打ちコンクリート杭は、建物の重みをしっかりと受け止め、安全に地中の固い地層(支持層)へと伝えるという、まさに「縁の下の力持ち」のような役割を担っています。この杭がなければ、建物は地盤沈下を起こしたり、傾いたりしてしまう可能性があるのです。
特に近年では、コンクリートの強度を高めて杭の直径をスリムにする設計が増えています。これに伴い、杭の中の鉄筋が密になり、コンクリートがスムーズに流れるように管理することが以前よりも難しくなってきています。建物の安全性を確保するためには、このような変化に対応した徹底した品質管理が不可欠なのです。
品質管理への取り組み
場所打ちコンクリート杭の品質は、建物の安全性に直結するため、建設業界全体でその向上に力を入れています。しかし、残念ながら「杭頭不良」といった不具合が少なからず発生しているのが現状です。
こうした課題に対応するため、サンヨーコーポレーションでは、日々の施工で起こりえた状況の情報をまとめて品質管理について探求し繰り返し改善しております。本コラムシリーズは、場所打ち杭の品質管理の「ポイント」を皆様にお伝えしていきます。
見えない地下で建物を支える場所打ち杭。その**「見えない巨人」**の品質がどのように守られているのか、次回以降のコラムで詳しく掘り下げていきますので、どうぞお楽しみに!
次回予告: 第2回では、「安定液ってなんだろう?~杭の穴を守る魔法の液体~」と題して、安定液の秘密に迫ります。