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コラム
ボーリング調査って面白い!安全な暮らしの土台を知るコラム(全5回)

第1回:地盤調査って、私たちの暮らしとどう関係あるの?
こんにちは!私たちは普段、地面の上で生活していますが、その「足元」、つまり地盤がどうなっているか、考えたことはありますか?実は、私たちが安全で快適な暮らしを送るためには、この見えない地盤がとっても大切なんです。今回は、そんな地盤を知るための第一歩、「地盤調査」についてお話しします。
なぜ地盤調査が必要なの?
私たちが家やビル、橋などの建物を作る時、まずはその重さをしっかり支えてくれる「土台」が必要です。この土台となるのが「地盤」です。もし地盤が弱かったり、建物との相性が悪かったりすると、建物が傾いたり、沈んだり、地震で壊れてしまったりする危険があります。
地盤調査の目的は、まさにこの「地盤」の強さや性質、そして地下の状況(地層の重なり方、地下水位など)を詳しく調べて、建物を安全に建てるための設計や工事方法を決めることなんです。まるで、人間が健康診断をするように、建物も建てる前に地盤の健康診断をするイメージですね。
地盤調査は、建物を建てるためだけでなく、地盤環境を守るためや、地震などの災害に備えるためにも行われます。
地盤調査の全体像を見てみよう!
地盤調査にはいくつか段階があります。
- 予備調査:まずは、昔の資料(古い地図や文献など)を見たり、実際に現地を歩いてみたりして、その土地のおおまかな状況を把握します。どんな地層が隠れていそうか、大まかな見当をつける段階です。
- 本調査:予備調査で立てた計画に基づいて、実際に地盤の詳しい性質を調べる調査を行います。建物の設計に必要な、より精度の高い情報を集めます。
- 追加調査:もし本調査だけでは情報が足りなかったり、もっと詳しく調べる必要が出てきたりした場合に行います。この追加調査は、できれば行わない方がスムーズに進みますね。
私たちがよく耳にする「地盤調査」は、この「本調査」で行われることが多いです。
地盤調査にはどんな方法があるの?
地盤調査にはいくつかの種類があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう!
- スウェーデン式サウンディング試験(SWS):木造住宅を建てる際によく使われる方法です。先端がキリ状になった棒(ロッド)に重りを乗せ、回転させながら地面にねじ込んでいきます。25cmねじ込むのに何回転したかを測ることで、地盤の硬さを調べます。比較的安価で手軽にできるのが特徴ですが、硬い石(ガラ)があるとそれ以上入らなくなってしまったり、土の種類を直接確認できなかったりするという一面もあります。
- 平板載荷試験:路盤や路床など、地面の表面近くの支持力(重さを支える力)を調べたい時に行う試験です。地面に置いた円盤にジャッキを使って荷重をかけ、どれだけ沈んだかを測ります。
- ボーリング調査:今回、このコラムで詳しくご紹介していく方法です!地面に機械を使って細い孔を掘り、その孔を利用して様々な調査を行います。地面の深いところまで調べられるのが大きな特徴です。
この「ボーリング調査」こそが、地盤の「素顔」を一番詳しく知ることができる調査方法と言ってもいいでしょう。
次回からは、このボーリング調査で具体的に何をするのか、どんなことが分かるのかを掘り下げていきます。お楽しみに!